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🚙 1959年型フォード・カントリー・セダン(Country Sedan)徹底ガイド|実用性と上品さを両立した“スマートワゴン”

1959年型フォード・カントリー・セダン(Country Sedan)は、ステーションワゴンシリーズの中核モデルとして、フォードの“家族と実用”を象徴する存在でした。上級モデルのカントリー・スクワイアと比べて控えめな外観ながら、装備や快適性は十分で、日常から旅までこなす頼れるファミリーカーです。


🔷 1. モデル概要

  • 名称:Ford Country Sedan

  • ライン位置:中級ステーションワゴン(上:Country Squire/下:Ranch Wagon)

  • ボディ構成:4ドア / 2列または3列シート(6〜9人乗り)

  • ホイールベース:118インチ(共通プラットフォーム)

🚪 カントリー・セダンには2ドア仕様も存在

1959年型カントリー・セダンには、標準的な4ドアモデルに加え、希少な2ドア仕様も設定されていました。

この2ドアモデルは、よりシンプルでスポーティな外観を持ち、若年ファミリーやカスタムベースとしても人気を集めました。 装備面では4ドアモデルと同等の快適性を備えつつ、車体の軽量化やドアまわりのシンプルな造形が特徴です。

外観は同年のランチワゴン(Ranch Wagon)に似ていますが、インテリア素材やトリムがより上質な点で差別化されており、 “2ドアでありながら中級グレード”という位置づけが絶妙な1台でした。

現存数は非常に少なく、今日ではレアコレクターズモデルとして高い価値を持つ仕様でもあります。

 

希少、フォードランチワゴン 2ドア




🚗 2. エクステリアとスタイリング

  • 木目調ウッディ装飾は非装備:Squireとの差別化ポイント

  • ロームアクセントは適度で上品

  • フォード共通の“ワイド&ロー”なプロポーション

  • シンプルながら均整の取れたテールフィンとリアガーニッシュ

  • 折り畳み式リアゲートを採用し、荷室へのアクセスもスムーズ

テールビュー&リアゲート

 


🪑 3. 内装と快適装備

  • 広々としたベンチシート(前後2列または補助3列目)

  • ツートーンビニール内装や布トリムが選択可能

  • インストゥルメントパネルはFairlaneと共通

主なオプション装備:

  • パワーステアリング

  • パワーブレーキ

  • エアコンディショナー(非常に希少)

  • AMラジオ / ワンダーバーラジオ

  • 6ウェイパワーシート

  • RCA車載レコードプレーヤー

ツートーン内装・フロントベンチシート


⚙️ 4. パワートレインと足回り

  • エンジン構成:

    • 292 cu.in V8(4.8L)

    • 332 cu.in V8(5.4L)

    • 352 cu.in Thunderbird Special V8(最大300hp)

  • トランスミッション

    • 3速マニュアル(OD付き)

    • Ford-O-Matic(2速AT)

    • Cruise-O-Matic(3速AT)

  • 駆動方式:FR(後輪駆動)

  • サスペンション:前コイル/後リーフリジッド


💵 5. 新車価格と販売状況

  • 新車価格:おおよそ $2,800〜3,100(グレードと装備による)

  • 生産台数(推定):ステーションワゴン系の中で高シェア(約25〜30%)


📈 6. 現在(2025年)の市場価格

コンディション 価格帯(USD)
実用レベル(要手直し) $15,000〜22,000
良好コンディション $30,000〜45,000
フルレストア / 極上 $60,000〜75,000
  • 3列シート装備車や、ツートーン塗装+オリジナル内装はプレミア対象


🏁 まとめ:落ち着きと安心感が魅力のクラシック・ワゴン

✨ 豪華すぎず、地味すぎない。これが“ちょうどいいアメリカ車”。

1959年型カントリー・セダンは、実用性と見た目のバランスに優れたワゴンとして、今もクラシックカー愛好家からの人気が高い一台です。

家族の思い出が詰まった、昭和のアメリカン・ホームドラマに登場しそうなこの車──いま再び、その価値が見直されています。

 

カントリー・セダンのサイドビュー(1959年)


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