アメリカ車アーカイブ

1950~1980年代のアメリカ車の歴史と魅力をアーカイブする専門ブログ

🚗 「1959年型キャデラック フルグレード徹底ガイド|フィンの極致とラグジュアリーの金字塔!

1959年型キャデラックは、アメリカ車の歴史においてスタイルとラグジュアリーが最高潮に達した年として知られています。
空まで突き上げる巨大なテールフィン、ジェット戦闘機を思わせるダブルバレットテールランプ、贅沢を極めたインテリア…。この年
のキャデラックは、一見高級車ではなく、「アメリカン・ドリームの」象徴でした。

この記事では、1959年型キャデラックの全グレードを徹底解説。シリーズごとの違いや装備、エンジン、さらには現在の価値まで、アーカイブ的な視点でまとめました。


🔷 1. デザインと時代背景:アメリカン・エクセスの極み

1950年代末期、アメリカ車のデザインは航空機の影響を色濃く受けて、「より大きく・より派手に」を競っていました。その頂点に立ったのが、1959年型キャデラック。

  • 史上最大のテールフィンスカイラインに突き刺さるような形状は、キャデラック史上最大の誇張されたデザイン。

  • ダブルバレット・テールランプジェットエンジンを模した尾灯は、未来感を象徴。

  • 全長5.7m超のロングボディ:圧倒的な存在感と高級感。

  • 魅力アクセントの多用途:バンパー、グリル、モール、ホイールまで輝きのオンパレード。

このデザインは、今も世界中のコレクターにとって憧れの存在です。


🏁 2.メインナシリーズとボディスタイル解説

1959年型キャデラックは、用途価格や帯に応じて多彩なグレードとボディが用意されていました。


🚘シリーズ62(シリーズ62)

  • ポジション:スタンダードラインの主力モデル。

  • ボディタイプ:2ドアクーペ/4ドアセダン/コンバーチブル

  • 特徴

シリーズ62 コンバーチブル

🚘 De Ville(ド・ビル)シリーズ

  • 位置:シリーズ62の上級ライン。

  • ボディタイプハードトップクーペ(2ドア)/ハードトップセダン(4ドア)。

  • 特徴

    • ド・ビルは今年、正式に独立シリーズ化

    • 内装には上質なファブリックやレザーを採用。

    • 特別ナトリムとバッジが付く高級感溢れる仕様。

De Ville ハードトップセダン

🚘フリートウッド 60 スペシャル(フリートウッド 60 スペシャル)

  • ポジション:オーナー ドリブンな上級セダン。

  • ボディタイプ:4ドアセダン(ハードトップなし)。

  • 特徴

    • 外装はモールディングが追加され、内装もさらに豪華。

    • ロングホイールベースで乗り心地が良い。

    • 一部に「エアサスペンション」が装着可能です。

フリートウッド 60 スペシャ

🚘フリートウッド 75(セブンティファイブ)

  • ポジション:ショーファードリブン(運転手付き)モデル。

  • ボディタイプ:リムジン/9人乗りセダン。

  • 特徴

    • どうしてもボディとホイールベースを持つ。

    • フリートや政府機関、高級ホテルなどで使用されています。

    • 分厚いリヤドアとトリムが圧巻の存在感。

フリートウッド 75

🌟 Eldorado(エルドラド)シリーズ

  • ポジション:キャデラックの最上級パーソナルラグジュアリー。

  • 種類

  • 特徴

    • 専用グリルやバンパー、トリムを装備。

    • ビアリッツはゴールドエンブレムや本革シート標準。

    • ブロアムは少数生産(99台)、キャデラック史上でも希少な存在。

エルドラド ビアリッツ

🚑商用シャーシ(コマーシャル・シャーシ)

  • 用途:霊柩車/救急車/リムジンベース

  • 特徴

    • ボディ製作は外部コーチビルダーが担当(Miller-Meteorなど)。

    • 1959年のスタイルは特に霊柩車ファンに人気。

商用シャーシ

⚙️ 3. パワートレインとメカニズム

1959年キャデラックに搭載されるエンジンとトランスミッションは以下の通り。

  • 390 cu.in V8(6.4L OHV)

    • 出力:325〜345 hp(グレードにより異なる)

    • キャブレター:4バレル仕様(エルドラドは三連装トリプルキャブ)

  • トランスミッション

    • 4速ハイドラマティック(AT)

※一部のエルドラド・ブロアムはエアサスペンション搭載(後に信頼性問題で多くがコイルに換装)


🧰 4. 主な装備とオプション

1959年キャデラックは、当時としては驚異的な高級装備を多数標準/オプションで搭載していました。

  • パワーステアリング/ブレーキ/ウィンドウ/シート

  • オートヘッドライト(Autronic Eye)

  • クルーズコントロール

  • フォグランプ、リバースランプ

  • エアコンディショナー(フリートウッド系以上で設定)

  • ゴールドトリム(エルドラド・ビアリッツ限定)

  • オートトレベリング・エアサス(装着車あり)


💵 5. 当時の新車価格と生産台数

モデル 新車価格(USD) 生産台数(台)
シリーズ62 約 $4,600〜5,200 約 72,000台
デ・ヴィル 約 $5,200〜5,500 約 53,000台
フリートウッド 60 スペシャ 約 6,200 ドル 約 12,250台
エルドラド ビアリッツ 約 7,400 ドル 約 1,320台
エルドラド ブロアム 約 13,000 ドル超 99台(ピニンファリーナ製)
フリートウッド 75 約 9,500 ドル〜 約 700台

📈 6. 現在(2025年)の市場価値(米国)

モデル 良好車両 フルレストアカ 極上オリジナル
シリーズ62 40,000〜60,000ドル 80,000ドル〜 100,000ドル以上
デ・ヴィル 50,000〜70,000ドル 90,000ドル〜 120,000ドル以上
エルドラド ビアリッツ 90,000〜130,000ドル 150,000ドル〜 20万ドル超
エルドラド ブロアム 市場に出回らず 300,000ドル〜 コレクター間取引

🏁まとめ:1959年型キャデラックを持つ意味とは?

1959年のキャデラックは、アメリカ車のデザインと贅沢さが限界に達した年に生まれた「自動車芸術の到達点」です。

✨輝くフィン、重厚な雰囲気、威風堂々たるロングボディ。
✨豪華装備と多彩なラインアップ。
✨そして世界中のコレクターが追い求めるレジェンド。

「キング・オブ・フィンテール」 ──それが1959年キャデラックの称号。
アメリカ車ファンなら、一度はその魅力を深く保存しておきたいヴィンテージの王者です。