アメリカ車アーカイブ

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1959 キャデラック サイクロン Cyclone 徹底ガイド|キャデラックが夢見た“宇宙時代のコンセプトカー”

🚀 1. サイクロンとは何か?──誕生の背景と目的

1959年、キャデラックがGMのフューチャーカー計画の一環として発表したのが、Cadillac Cyclone(キャデラック・サイクロン)です。
この車は販売用ではなく、完全なるショーカー/コンセプトモデルとして開発されました。

当時のアメリカは宇宙開発競争の真っただ中。
そんな時代背景を反映し、「ミサイル」「ジェット戦闘機」「レーダー」といった要素をすべて詰め込んだ、まさに“宇宙時代の夢の車”でした。

✏️ 2. デザイン責任者は“ハーレー・アール”

このCycloneは、GM伝説のデザイナーハーレー・J・アール引退記念作でもありました。
アールはテールフィンをキャデラックに導入した張本人でもあり、このCycloneは彼のキャリアの総決算とも言える作品です。

📏 3. 外装デザインの特長|宇宙船モチーフ満載

  • ロケット型ノーズコーン(ミサイル発射口のような意匠)
  • 透明ドーム型キャノピー(宇宙船風の屋根)
  • 極端なテールフィンとリア形状(未来感の演出)
  • ✅ サテンシルバー仕上げのボディカラー

全体のフォルムは「クルマというより、ジェット戦闘機にタイヤをつけたような形状」です。

⚙️ 4. メカニズムと未来ギミック

Cycloneは見た目だけでなく、実際に未来的な機構を搭載していました。

  • ✔️ レーダー搭載(前方の衝突防止センサー)
  • ✔️ スライディングキャノピー(手動・前方開閉式)
  • ✔️ V8エンジン+FRレイアウト
  • ✔️ サイドエキゾーストパイプ内蔵/音響警告装置

当時の安全技術や自動運転の発想が、すでにこの1台に詰め込まれていたことがわかります。

📸 5. 実車は今どこに?

Cycloneは1台のみ製作され、現在もGMヘリテージセンター(ミシガン州)に保管されています。
イベントなどで一部展示されることはありますが、基本的に一般公開されていません。

過去にはPebble Beach Concours やGM 100周年展示などで披露されたこともあります。

📈 6. 現在の評価と価値

  • ✅ 市場には出回らない「非売品」的存在
  • ✅ キャデラックデザイン史の最高到達点として扱われる
  • ビアリッツやブロアムと並び「59キャデの象徴」として認識される

🔗 7. 関連リンク・参考記事

🏁 まとめ|夢がカタチになった“最後のフィン”

Cadillac Cycloneは、1959年という年にしか生まれなかったコンセプトカーです。
未来を信じ、夢をクルマに込めたGMとハーレー・アールの遺産── それはただの車ではなく、“未来のかたち”そのものでした。

 

次回は「59キャデは走るだけじゃない|改造ソファ&家具で甦る“アメリカの夢”」を徹底ガイドします!