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1959年型キャデラック・エルドラド・ブロアム徹底ガイド|世界に99台だけの“幻のキャデラック”とは?

🔷 1. エルドラド・ブロアムとは?

1959年型キャデラックのラインナップにおいて、もっとも特別な存在
それが「エルドラド・ブロアム(Eldorado Brougham)」です。

エルドラド・ビアリッツ(オープン)、セビル(クーペ)とは全く異なる、4ドアハードトップ+専用シャーシ+特注装備のプレミアムモデル。
しかも1959年型と1960年型のみ、ボディ製作は**ピニンファリーナ(イタリア)**が担当。まさに「キャデラック × イタリアンデザイン」の異色作です。

その希少性、豪華さ、そして異彩を放つ存在感により、今でも“幻のキャデラック”として語られる1台です。


📏 2. サイズとスタイル

項目 数値・特徴
全長 約5,600mm
ホイールベース 130インチ(約3,300mm)
乗車定員 6人
ドア枚数 4ドア(観音開き)
ボディ形状 専用設計のセダンボディ(ピニンファリーナ製)

✅ 1959年型は観音開きではなく、通常のヒンジ構造を採用
✅ Bピラーレス構造による開放感は健在
✅ ルーフにはステンレス鋼を使用した高級感ある仕上がり


🎨 3. 外装と特徴的なデザイン

ピニンファリーナが仕上げたボディパネルは、量産車とは一線を画す美しさ
✅ クローム装飾は控えめで繊細。シンプルだが洗練されたエレガンスが際立つ
✅ ルーフはブラッシュド・ステンレス仕上げ(塗装ではなく金属の地肌)
✅ 通常の1959キャデラックよりフィンがやや抑えめな独自デザイン


🛋 4. 内装と装備|オートクチュール級の仕立て

🛋 レザー・ウール・シルクなどの高級素材を自由に組み合わせてオーダー可

📻 リア席用ラジオコントロール、読書灯、電動トランクなど贅沢装備が標準

💄 傘・香水・筆記具・靴ベラなどの**専用付属キット(vanity set)**も話題に

🧳 広いリアシートは足元スペースも別格。プライベート空間としての完成度が高い

 


⚙️ 5. パワートレインと走行性能

🛠 エンジン:390cu.in V8(6.4L)

出力:315hp(4バレルキャブ搭載)

⚙️ トランスミッション:Hydra-Matic 4速AT

🌀 サスペンションは**エアライドシステム(エアサス)**搭載
→ 乗り心地は柔らかく、まさに“フローティング・サロン”


💰 6. 当時の価格と生産台数

モデル 価格(USD) 生産台数
Eldorado Brougham $13,075 約 99台(1959年)

※1960年も追加で101台、合計200台前後の生産。

✅ キャデラック史上でも最も高価なモデルの一つ
✅ 当時のキャデラック・シリーズ62が約$5,000なので、2〜3倍の価格帯


📈 7. 2025年 クラシック市場の相場

状態 参考価格(USD)
良好 $180,000〜250,000
フルレストア済 $300,000〜400,000超
純正コンディション&付属品完備 $500,000級もあり得る

🎯 ポイント:

  • 生産台数の少なさと、イタリア製ボディという特殊性

  • 完全オーダーメイド式の内装

  • ミュージアム級の評価を受ける個体も多数


🧭 他のエルドラドとの違い

モデル 特徴
ビアリッツ コンバーチブル(オープンカー)/345hp・豪華装備
セビル 2ドアクーペ/345hp・スポーティで通好み
ブロアム

4ドアハードトップ/315hp・専用ボディ/別格のラグジュアリー

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🏁 まとめ|1959年型キャデラックの“幻”の真実

エルドラド・ブロアムは、1959年キャデラックの中でも異色かつ最高級の存在。
アメリカンラグジュアリーの象徴であると同時に、イタリアンクラフトの美学が融合した奇跡の1台です。

今なお「幻のキャデラック」として語り継がれ、
その存在はクラシックカー界における**“究極のキャデラック”**と位置付けられています。


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🔜 次回は「1959年型キャデラック・エルドラド・ビアリッツ(Eldorado Biarritz)」を徹底ガイドします!