アメリカ車アーカイブ

1950~1980年代のアメリカ車の歴史と魅力をアーカイブする専門ブログ

🛥️ 1959年型キャデラック・フリートウッド75徹底ガイド ~“走る迎賓館”と呼ばれたフラッグシップ・リムジン~

🔷 1. フリートウッド75とは?

1959年型キャデラックの頂点に立つのが、このFleetwood Seventy-Five(フリートウッド75)です。
セダンとリムジンの2タイプが存在し、どちらも特別仕様の超ロングボディ
高級装備、そしてVIP向け設計を誇る“迎賓館グレード”。

大統領や企業重役、セレブの移動手段として選ばれたこのモデルは、まさに「アメリカンドリームを象徴する1台」と言える存在です。


📏 2. サイズとスタイル

項目 数値・特徴
全長 約6,400mm(!)
ホイールベース 149.8インチ(約3,800mm)
乗車定員 セダン:7人 / リムジン:9人
ドア枚数 4ドア(後席は観音開き)
ボディ形状 ストレッチシャーシ+専用ルーフライン

🚪 リムジンモデルにはパーティション(仕切り)あり
助手席スペースをなくしたフォーマルレイアウト仕様も存在します。


🎨 3. 外装と特徴的なデザイン

  • 控えめながら重厚感のあるクローム処理

  • サイドウィンドウは“七枚構成”の独特なスタイル

  • リアドアに小窓あり/通称「ジャンパーシート」付き

  • テールフィンは1959年ならではの高さと角度を維持

「派手すぎず、しかし明らかに格上」──それがフリートウッド75の美学です。


🛋 4. 内装と装備:まさに走る応接室

  • 🛋️ 上質ウールモケット/レザー内装(オーダー可能)

  • 🔇 分厚いカーペットと遮音処理で極めて静か

  • 📻 後席専用ラジオコントロール/インカム装備(リムジン)

  • 🛑 プライバシーパーティション(可動式)

  • 🪞 メイクアップミラーやドリンクホルダー完備

後席空間はまさに「ホテルの応接室」。
同乗者は足を組んでくつろぎながら、コニャック片手に移動できるような贅沢さです。


⚙️ 5. パワートレインと走行性能

  • 🛠 エンジン:390cu.in V8(6.4L)

    • 出力:325hp(4バレルキャブ)

  • 🚘 Hydra-Matic 4速AT

  • 🌀 リアコイルスプリング+特製フレーム構造

長大なボディをしっかり支えるシャシーと、トルク重視の設定により、静粛かつ滑らかな走行感を実現。


💰 6. 当時の価格と生産台数

モデル 価格(USD) 生産台数
Fleetwood 75 セダン 約 $9,500 約 710台
Fleetwood 75 リムジン 約 $10,200 約 710台(合算)

※生産台数は非常に少なく、当時もごく一部の富裕層・法人ユーザーに限定されたモデルです。


📈 7. 2025年 クラシック市場の相場

状態 参考価格(USD)
良好 $80,000〜100,000
極上・レストア済 $120,000〜160,000
オリジナルパーツ完備・記念車 $200,000超えもあり

🎯 ポイント

  • フリートウッド75は「台数の少なさ」と「用途の特殊さ」から、近年価値が急上昇中。

  • 特にオリジナルのパーティション付き車両はコレクター垂涎。


🧭 他のキャデラックとの違い

  • 60スペシャ:リアルユーザー向け。全長もやや短く、走行性能とのバランス型。
    👉 60スペシャル徹底ガイドはこちら!

  • デ・ヴィルやシリーズ62:ラグジュアリーとはいえ、フリートウッド75とは一線を画す一般向け仕様。


🏁 まとめ|“走る迎賓館”の伝説

1959年型キャデラック・フリートウッド75は、単なる自家用車ではありません。
それは社会的地位と格式を可視化する移動空間であり、アメリカの黄金時代を象徴する一台です。

今日でもイベントや映画、ミュージアム展示にひっぱりだこ。
「これがアメリカ車の頂点だ」と断言できる、唯一無二の存在です。

 


🔗 関連モデルはこちら👇


🔜 次回は、「1959年キャデラック・エルドラド・セビル」の魅力を徹底解説予定です。
お楽しみに!