🔰 概要|1959年「1/2年モデル」で生まれた“新しい上級路線”
フェアレーン500の上級モデルとして突如ラインナップに追加されたのが、この1959年型ガラクシー(Galaxie)。 1959年4月、いわゆる「1/2年モデル(mid-year introduction)」として登場したこのシリーズは、 ただの上位版ではなく、“サンダーバードの意匠をまとった新機軸”として注目を集めた。
クラブビクトリア/タウンビクトリア/サンライナー── ガラクシーは、1959年後半のフォードを一段引き上げる存在となった。
📏 サイズとボディ構成
項目 | 数値・特徴 |
---|---|
全長 | 約5,410mm |
ホイールベース | 118.0インチ(約2,997mm) |
車体形式 | 2ドアHT(Club Victoria)/4ドアHT(Town Victoria)/Convertible(Sunliner) |
基本シャシーはフェアレーン500と共通。 しかし外装・バッジ・内装・装飾のすべてが“格上”として設計されており、 フォードのフルサイズ系の上位展開はこのモデルを起点に分岐していく。
🎨 外装デザインと特徴|“Tバードルーフ”の美学
- ✅ ボンネット前端に「FORD」立体レタリング
- ✅ リアフェンダーへ向かって伸びる彫刻的ライン
- ✅ ヘッドライト&グリル周辺にメッキ装飾強化
- ✅ ルーフラインは“サンダーバード”風の低く四角い形状(Club Victoria)
- ✅ 専用の“Galaxie”スクリプトバッジ付き
この“スクエアバード風ルーフ”は、スポーティかつ近未来的な印象を与え、 ガラクシーの上級感と差別化を強烈に印象づけた。
🛋 内装と装備
- ✅ フェアレーンよりワンランク上の2トーンファブリック&ビニール
- ✅ ダッシュボードは立体的でクロームリング付き
- ✅ 標準でAMラジオ&ヒーターを装備(上位パッケージ)
- ✅ ステアリングセンターにもGalaxieロゴ入りメダリオン
全体として“やりすぎない高級感”を実現。 快適性とモダンさの融合がこのモデルの持ち味だった。
⚙ パワートレインと走行性能
エンジン | 排気量 | 出力 |
---|---|---|
292 Y-block V8 | 4.8L | 200 hp |
332 Interceptor V8 | 5.4L | 225 hp |
352 Thunderbird Special V8 | 5.8L | 300 hp |
全モデルにV8エンジンが設定され、 上級仕様=性能も引き上げられていたのがガラクシーの特徴。 トランスミッションは3速AT(Cruise-O-Matic)や3MTの選択が可能。
💰 当時の価格と生産台数
ボディタイプ | 価格(USD) | 推定生産数 |
---|---|---|
Club Victoria(2ドアHT) | $2,550〜 | 約95,000台 |
Town Victoria(4ドアHT) | $2,620〜 | 約72,000台 |
Sunliner Convertible | $2,730〜 | 約45,000台 |
フェアレーン500より$100〜$150高価な設定ながら、デザイン性と新しさで多くのユーザーを獲得。 まさに“後半戦の主役”となった。
📈 クラシック市場での立ち位置(2025年)
状態 | 相場価格(USD) |
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標準グレード・稼働車 | $20,000〜30,000 |
軽レストア済・HT車 | $35,000〜50,000 |
Sunliner極上車 | $60,000超 |
ガラクシーは、スクエアバードルーフの影響もあり年々再評価されているモデル。 特にClub Victoriaのプロポーションはコレクターからの人気が高い。
🏁 まとめ|“上質”は、ある日突然登場する
1959年途中に突如現れたガラクシー。 それはフェアレーン500の上に“デザインという上質”を足した結果だった。
派手ではない。だが、スタイルで格の違いを見せた1台── それが1959年型フォード・ガラクシーだった。